第3章 あの日の約束 千切 豹馬
「ッ!、、、」
観客席の中から彼女を見つけた時は一瞬息が止まった。
本当は彼女と別れたことをずっと後悔していた。
が言った言葉は俺を励ますためだとも分かっていた。
ただ、あの時はの言葉を素直に受け取れなかった。
別れを選んだ理由は励ましてくれたに声を荒げ、あたってしまったことに罪悪感が生まれたから。
あと一つは、、、
"サッカーをしている千切くんが好きです"
が告白してくれた時の言葉だ。
サッカーをしている俺が好きってことは、サッカーができなくなった俺は捨てられるのか?
そんなの嫌だ、ならいっそのこと自分から、、、、
っていう自分勝手な理由だった。
別れのLINEを送れば、からは分かったとの一言。
その文面を見た途端、息ができないほど泣いた。
心の何処かでは彼女に引き止められることを期待していたのかもしれない。
俺と別れてからはサッカー部のマネをやめた。
俺と顔を合わせるのが気まずいからだろう、それから二年になりクラスも離れた俺たちは殆ど顔を合わせなくなった。
あの時の自分も、大切な人も失った俺にはサッカーだけが残った。
そのサッカーさえも俺は諦めかけていた。
諦める理由を探していた時、青い監獄(ここ)へ呼ばれたのだ
やっとこれで終わる、、、そう思っていたのに俺は諦められなかった。
潔に出逢って、思い出した。
あの頃の俺を、、、
戻れたんだ、あの頃の俺に。
そして再び蘇ったのだ。
への想いが、、、
青い監獄で一位になって、エースストライカーになったらに告白すると決意した。
勿論断られる覚悟だ。
世界一になったら、俺の隣にいて欲しいのはだ。
がいたから俺は強くなれた。
だから俺は世界一のストライカーに絶対なると決めた。
ところがとの再会は思いのほか早かった。