第3章 あの日の約束 千切 豹馬
本当は別れたくなかったけど、彼をこれ以上苦しめたくなかったので、私は彼の意思に了承した。
サッカー部のマネも辞めた。
きっと彼の顔を見れば彼に縋り付いてしまうと思ったから。
でも噂で彼はサッカー部に顔を出してないと聞いて心配になったが、たまたま公園でリフティングをしている彼を見て安心した。
まだサッカーを好きでいてくれることに。
だから私は彼を陰ながら応援することにしたのだ。
同じ学校でもクラスが違えばあまり会うこともなかった。そして日が経つにつれて少しずつだが心の傷も癒えてきた頃だった。
『え、、、?合宿、、、ですか?』
彼と同じクラスメイトから彼が最近学校に来ていないと聞き、不安になった私は彼の姉、虎雪さんに思わず連絡したのだ。
聞けば、サッカーの強化合宿に参加したんだとか。
彼が無事であることに安心はしたが、なんだか嫌な予感がした。
もしかして彼はサッカーを辞める為に参加したのではないかと、、、
そんな気がしたのだ。
それから二ヶ月後、、、、
『来ちゃった、、、、』
虎雪さんに千切くんが試合に出るから一緒に観に行こうと誘われたのだ。
最初は断ったのだが、、、、
「私たちと少し離れたところからでもいいから、豹馬のこと応援してあげてほしい」
虎雪さんの言葉で私は応援しに行く決意をしたのだ。