第3章 あの日の約束 千切 豹馬
付き合って二年が経過した。
私たちは同じ高校に通い、交際も順調だった。
然し、悲劇が起きた。
豹馬が怪我をしたのだ。
"右膝前十字靭帯の断裂"
次同じ箇所を怪我すれば二度とサッカーが出来なくなる。
そう言われたと言っていた。
"俺は諦めない"
豹馬は諦めなかった。
辛いリハビリを乗り越えて、またサッカーをやると宣言した彼は有言実行を果たした。
だけど、現実は甘くはなかった。
『豹馬、、、』
豹馬は以前のように走れなくなったのだ。
きっとまた怪我するのが怖いのだろう、自然と右膝を庇っているようだった。
まだ怪我が完治してから間もないし、仕方がないことだと思う。
あの時のように走れない彼は酷く落ち込んでいた。
だから励ますつもりだった、、、
『そんなに落ち込まなくても、、、大丈夫だよ!まだ完治して間もないんだし!もう少し時間が経てばきっと、、、』
「ッ!煩せぇ!に俺の何が分かんだよ!」
『ッ、、、、』
なにも言えなかった。
1番辛いのは豹馬だ。
自分の足のことを1番分かるのは彼自身だ。
なにが大丈夫なんだ。
なにが時間が経てばなんだ。
今でも後悔している。
あんな無神経なことを言った自分を、、、
あの日、私があんな事を言わなければきっとまだ彼の隣にいれたのかな、、、、。
この口論のあと、千切くんから別れようとLINEが入っていた。