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エゴイスト達とアオハル【ブルーロック/R18】

第3章 あの日の約束 千切 豹馬


『ッ、、、千切くん、、、』

ピッチで走る彼はあの時のようだった。

彼がサッカーをしている、、、その姿を見て涙が自然と溢れ出した。


「ッ!、、、」

『ッ!千切くん、、、』

こんなに距離があるのに互いに目がしっかりと合った。

気まずくて、視線を外そうとするも出来なかった。

豹馬の熱い視線が外させないと言っているようで、、、

そして彼が右手の握り拳を私に向けた。

私だけが分かる合図(サイン)、、、



一年前まで私たちは恋人同士だった。

付き合いだしたのは中学二年の頃から。

サッカーをしている彼を見て一目惚れしたのだ。

断られる覚悟で告白すれば、まさかのOK

嬉しすぎてその日の夜は眠れなかった。

付き合ってからは彼の練習に付き添っていた。

そんなある日のこと、、、

その日は試合当日だった。

『豹馬頑張ってね!応援してる!!』

「絶対勝つからな!」

プロの試合でも使われる会場はとても広かった。

私の声が聞こえるか分からないけど、頑張って大きな声で応援した。

声が聞こえたのか、豹馬と目が合った。

その時だった。

右手の拳を私に向けたのだ。

何かを言っているようだったけど、読み取ることができなかった。

勿論、この試合は豹馬の活躍で勝利を収めた。

試合後、豹馬にあの合図は何だったのかと訊ねた。

「ほら、広い会場だとお前を見つけても俺の声届かないだろ?だからちゃんと見てろよって合図でしたんだ」

『たしかに!じゃあこれからも試合の時は合図出してね?』

この約束をしてから豹馬は試合の度に合図を出してくれた。

その合図をされれば、私も同じく右手の拳を豹馬に向けた。

"ちゃんとみてるよ"と想いを込めて、、、

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