第2章 *君だけは譲れない 凪 誠士郎
『お金持ちくんとお友達になってサッカー部に入部したの!?』
「うん、玲王が全部やってくれるから楽だし」
あのシロちゃんがサッカー、、、?
確かにシロちゃんはガタイはいいし、運動神経もとんでもなくいい。
でもめんどくさいを理由にスポーツなんてしてきたことないのに、突然高校でサッカーをするなんて驚きだった。
おまけに友達っていうものもめんどくさいを理由に作りもしなかった彼にお金持ちの友達が出来たなんて、、、。
お金持ちくんが一体どんな人なのか気になった。
私も部活をしていることから、なかなかシロちゃんに会う機会がなかったが、出会いは突然にだった。
昨日久々に会った彼の隣にいた紫色の髪をした男の子。
一目でお金持ちくんだと分かった。
嫌な人ならシロちゃんから離さなくては!なんてしょうもないことを思ったけど、実際は凄くいい人だった。
面倒見の良さそうな彼にシロちゃんのことを託すことにした。
御影くんだからシロちゃんもサッカーをやったんだろうなって思った。
男の子だけど、御影くんにちょっぴり嫉妬した。
でも今日、突然シロちゃんが家に来たかと思えば私を好きだと言ってきたのだ。
シロちゃんも私と同じで嫉妬してくれたと知り、嬉しくて涙が溢れ出した。
ぎゅって抱き締められた時は久々の彼の匂いに安心したし、サッカー部で鍛えているのであろう、前よりももっとがっしりとした身体つきにきゅんとした。
突然シロちゃんが家に誰もいないかと聞かれた。
いないと答えれば、突然お姫様抱っこをされて私の部屋へと運ばれたのだ。