第2章 *君だけは譲れない 凪 誠士郎
『ンふ、、、ッん、、、んぅ///』
「可愛い、、、ン」
ベッドに押し倒され、私の上にいるシロちゃんはいつものような大型犬みたいな彼じゃなくて、狼だ。
お父さんとお母さんはまだ仕事で帰りは遅くなるらしく、家には誰もいない。
突然の展開にまだ頭の中が整理しきれてない。
でもシロちゃんが私のこと好きって言ってくれた事実だけで胸がいっぱいだ。
ずっと前から彼が好きだった。
多分、物心ついた頃からずっと、、、、
でも彼に恋をしていると自覚したのは中学生の時。
めんどくさがり屋な彼のお世話をするのが私の役目だった。
幼稚園、小学校、中学校とずっと一緒。
隣にいるのが当たり前だと思ってた。
でも中学生の時、私とシロちゃんが付き合っているのではないかと噂がたった。
シロちゃんは全然気にはしてなかったけど、私はその時気付いたのだ。
シロちゃんが好きだってことに、、、
それから彼を異性として意識するようになった。
毎日胸がドキドキしてた。
昔のように接することができなくて胸が苦しかった。
もしかしたらシロちゃんとずっと一緒にいたから自然と好きになったのかもしれない、、、距離を置けば元に戻れるかもしれないと思いわざと高校は彼と別の学校を選んだのだ。
シロちゃんのいない生活、シロちゃん以外の男の子と関わるようにもなった。
でも気持ちは変わらなかった。
寧ろ彼への想いが強くなったのだ。
彼は私がいなくてもやっていけるのだろうかと心配した。
でも、彼の隣には別の人がいた。
それが、、、
御影くんだった。