第9章 脅威
宿「腕を治した恩を忘れるとはな。」
悠「その後、心臓取っちゃったでしょーが!」
言い方は軽いが友好の気配は無い。
悠「ココ地獄か?死んでまでテメェと一緒なのは納得いかねぇけど。」
そして徐に足元にある山羊の頭蓋を持ち全力で宿儺に投げつける。
悠「泣かす。」
勢い良く死骸の玉座まで到達し積まれた骨の山が衝撃音と共に崩れる。
だが、宿儺には当たっておらず軽い身のこなしで飛び上がり頭上の助骨を足場に降り立つ。
悠「歯ぁ、食いしばれ。」
宿「必要ない。」
2人の拳が交錯する直前、悠仁の拳が軌道を変え足元を狙う。
宿(ハナから足場を。)
ぐらり、と宿儺の足元の助骨に当たり体が揺れる。
悠「引っ掛かってやんの。」
そして拳殴の勢いを反動として利用し側転からの踵落とし。
死角から迫る踵が宿儺を狙う。
悠(とった!)
タイミングは、まさにバッチリで有効打だと確信する。
だが空を切る。
宿儺は悠仁の背後を取っていた。
悠「アレ?」
宿「オマエは、つまらんな。」
悠「ぐぇ。」
キックで悠仁が助骨から突き落とされ血の池が大きな水柱を上げた。
悠「ぷはっ、完璧入ったと思ったのに。」
そう言い起き上がった悠仁だったが視界は宿儺を逃がしていた。
どこに行ったのか、と当たりを見回していると宿儺が頭上に居た。
飛び降りた宿儺の足が悠仁の頭を再度、血の池に踏み沈めた。