第8章 対峙
宿「領域展開…………伏魔御廚子。」
指を組み術式を放つ。
宿「3枚に、おろすつもりだったんだがやはり弱いな。オマエ。」
宿儺の術式が行使されると同時。
一瞬で呪霊は輪切りに、なっていた。
魚のように3枚におろすつもりだったと言う宿儺だったが呪霊は頭から少なくとも7分割にされていた。
宿「そうそう、それから。」
呪霊の輪切りになった1部、胸部があった場所に宿儺は指を突き入れる。
宿「これは貰っていくぞ。」
引き抜いた指先には“宿儺の指”が掴まれていた。
“指”を奪われた呪霊は焼失、霧散する。
宿「終わったぞ!不愉快だ!!代わりたいのなら、さっさと代われ!…………小僧?」
不機嫌極まりなく、そう悠仁に告げるが待っても戻ってくる気配は無い。
『………悠仁?大丈夫………??』
夜空も心配そうに宿儺の顔を見つめる。
すると宿儺の表情が邪悪に歪んだ。
『え…………?』
その顔を見て凍りつく。
(どうしよう、乗っ取られちゃった!?)
こっそり抜け出そうと試みるがガッチリと抱えられており抜け出せない。
ちら……、と見やると目は鋭いながらも口角は上がっておりこの状況を楽しんでいる様だった。
宿「おい、女。」
『な、なに…………。』
宿「オマエ、あの“呪われた”村出身だろう?実は昔に協力してやったんだ。だから村は大きくなった。“父親”から聞いてないか?」
『何の事………、っ。』
言いかけた所で確かに小さい頃“お世話になった”人の話を母親からも聞かされていた。