第1章 出会い
悟「はい、これあげるからもう泣くな~。」
ピタリと泣き止んで飴を受け取る。
『………食べて良いの?』
悟「おう、食え食え。」
手をヒラヒラとさせ食べるのを促す。
傑「やるじゃないか、悟。……匂いも少し薄まったね。」
悟「………確かにあの匂い嗅いだら、ふわふわするっつーか変な気分になるような?」
傑「まだ小さいから……とか年齢も関係ありそうだね。」
悟「まじか………!大きくなったら期待してるわ。」
少女の頭をポンポンと撫でる。
やれやれ、と溜息をついた。
傑「この村には、もう住めないんだ。私達と一緒に帰ろう?」
『……………うん、わかった。』
少女と手を繋ぎ帰路に向かう。
『どこに帰るの?』
悟「俺達の学校~。」
『………学校?』
傑「………君が通うのはまだ先だよ。」
__________
悟「たっだいま~!」
夜「おう、おかえり。早かったな、……って!お前ら………。」
教室の扉を元気よく開け帰宅を知らせる。
傑と手を繋いでいる少女を見て夜蛾先生は頭を抱えていた。
硝子は他人事の様にブフォッと吹き出してゲラゲラと笑っていた。
傑「話を聞いていたら可哀想になって連れて帰ってきました。」
夜「連れて帰ってきたって………、その子どうするつもりだ。」
悟「傑が面倒見るそうで~す。」
傑「良い子なので悟より育てるの楽ですよ、先生。」
ふふと悪戯に笑う。
『松木夜空です、よろしくお願いします!』
ぺこりと深々に頭を下げる。