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一緒に帰ろう

第7章 自分の為に


野「でもっ。」

野薔薇が何か言いかけたところで恵によって制止される。

悠仁の胸ぐらを恵が掴んでいた。

恵「後2人の生死を確認しなきゃ、ならん。その遺体は置いてけ。」

悠「振り返れば来た道が無くなってる。後で戻る余裕は、ねぇだろ。」

恵「“後に、しろ”じゃねえ。“置いてけ”っつったんだ。」

『ちょ、ちょっと!』

恵「ただでさえ助ける気のない人間を死体に、なってまで救う気は俺には無い。」

悠「どういう意味だ。」

恵「ここは少年院だぞ。呪術師には現場の、あらゆる情報が事前に開示される。」

お互いに胸ぐらを掴み合い引こうとする気は無いらしい。

恵「ソイツは無免許運転で下校中の女児を、はねてる。2度目の無免許運転でだ。」

悠「!」

恵「オマエは大勢の人間を助け正しい死に導く事に拘ってるな、だが自分が助けた人間が将来人を殺したらどうする。」

悠「じゃあ、なんで俺は助けたんだよ!」

『2人とも止めようよ!!』

野「いい加減に、しろ!」

恵と悠仁のやり取りを聞き、ついに野薔薇が口を出す。

野「時と場所を弁え─────。」

言い終わらない内に床に飲み込まれた。

恵、悠「釘……崎?」

『野薔薇ちゃんっ!?』

3人が振り返るが、そこには誰も居なかった。

恵(馬鹿な!だって玉犬は………。)

玉犬に呪いが近づけば警告するよう命令をしていたが何の反応も示さなかった為体ごと振り返った。

玉犬は首だけに、なっており引きちぎられた首が壁の染みになっていた。
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