第7章 自分の為に
確かに、といったように悠仁と野薔薇と伊地知が頷く。
夜空は分からず裏切られたというような顔でショックを受けている。
伊「この業界は人手不足が常。手に余る任務を請け負う事は多々あります。………ただ今回は緊急事態で異常事態です。」
神妙な面持ちで伊地知が続けて言う。
伊「“絶対に戦わない事”。特級と会敵した時の選択肢は“逃げる”か“死ぬ”かです。」
そして建物内に入ろうとした時立ち入り禁止テープの向こうから声が掛かる。
少年院に入っていた関係者の親族だろうか。
面会に来ていた保護者だ、と伊地知が言い保護者の前に立ち今は判断出来ないと諭す。
母親は泣き出し絶望的な表情になる。
その光景を見た悠仁の顔が引き締まった。
悠「伏黒、釘崎、夜空助けるぞ。」
野「当然。」
『うん!』
恵「………………。」
伊「帳を下ろします。お気を付けて。」
悠「夜に、なってく!」
外から中を隠す結界が“帳”だと簡単に悠仁に恵が説明をする。
恵「呪いが近づいたらコイツが教えてくれる、行くぞ。」
玉犬を出して玉犬に続くように走り出す。
中に入ったは良いものの迷路のようにパイプなどかが通っている異様な光景だった。
悠「どうなってんだ!?2階建ての寮の中だよな、ココ。」
『迷路みたい!』
野「おおおお落ち着け!!メゾネットよ!」
恵「違ぇよ。」
慌てる3人にツッコミを入れた直後、一瞬だった。
恵(呪力に、よる生得領域の展開!こんな大きなものは初めて見た………!!)