第7章 自分の為に
そう話してから何分か経った頃廃ビルから気配がする。
悟「お。」
3人が頭上を見上げる。
廃ビルの中に居た呪霊が逃げていく姿を見て恵が祓おうとするのを悟が制止する。
その時、呪霊の内側から釘が飛び出してくる。
直接、心臓を攻撃されたように。
恵「…………。」
悟「良いね、ちゃんとイカレてた。」
2人が廃ビルを出ると
悟「お疲れサマンサ~!」
『お疲れ様!!』
悟「子供は送り届けたよー。今度こそ飯、行こうか。」
悠「ビフテキ!」
野「シースー!!」
『どっちも食べたい!』
少し不機嫌そうな恵を悠仁が気にかける。
悠「どったの?」
悟「出番が無くてスネてんの。夜空に格好良い所、見せたかったのにね。」
茶化すようにも馬鹿にしているようにも聞こえる。
『?』
恵「ちがっ!そんなんじゃ…………。」
不貞腐れたのか恥ずかしいのか俯く恵。
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4人は任務のため少年院に訪れていた。
どういう任務か、具体的な呪霊について説明を伊地知から受けている。
悠「なぁなぁ、俺特級とかまだイマイチわかってねぇんだけど。」
その質問を受け伊地知が“馬鹿にも分かるように”と教えてくれる。
伊「………………つまり戦略兵器と同等の脅威が目の前に居るかもしれない、ということです。」
恵「本来、呪霊と同等の術師が任務に当たるんだ。今日の場合だと五条先生とかな。」
悠「で、その五条先生は?」
『出張中だよ。』
恵「そもそも高専でブラブラしてて良い人材じゃないんだよ。」
悠「じゃあ、なんで居んの?」
恵「…………コイツのせいだろ。」
夜空を指さす。
『え、私!?』