第7章 自分の為に
恵「え。」
顔が引き攣る恵。
恵とは裏腹に目を輝かせる生徒が3人。
悟「それでは行き先を発表します、………六本木。」
悠、野「『六本木?』」
着いた先は想像とは程遠い物々しい雰囲気の廃ビルだった。
恵「居ますね、呪い。」
『嘘つき!』
悠「六本木ですら無えー!!」
野「地方民を弄びやがって!」
悟「でかい霊園が、あってさ。廃ビルとのダブルパンチで呪いが発生したって訳。」
悠「やっぱ墓とかって出やすいの?」
恵「墓地そのものじゃなくて墓地=怖い、って思う人間の心の問題なんだよ。」
野「ちょっと待って、コイツそんなこと知らないの?」
悠「あー………、実は……………。」
野「飲み込んだぁ!?特級呪物をぉ!?!?きっしょ!有り得ない!!衛生観念キモすぎ!」
恵「これは同感。」
『そ、そんな事ないよ!助ける為だもんね!!』
半ギレの悠仁を落ち着かせようと頭を撫でる素振りをする。
悟「君たちが、どこまで出来るのか知りたい。ま、実地試験みたいなもんだね。野薔薇、悠仁2人で建物内の呪いを祓ってきてくれ。」
悠「あれ、でも呪いは呪いでしか祓えないんだろ。俺、呪術なんて使えねぇよ。」
君はもう半分呪いみたいなもんだから、と笑いながら呪力がある事を伝える。
悟「でも、ま呪力の制御は一朝一夕じゃいかないからこれを使いな。」
布に巻かれた呪具を悠仁に手渡す。
布を外すと感嘆の声が漏れる。
悠「おぉ。」
悟「呪具“屠坐魔”呪力の篭った武器さ。これなら呪いにも効く。」