第6章 春と出会い
『何したの………?』
悟「気絶させたの。これで目覚めた時、宿儺に体を奪われていなかったら彼には器の才能がある。さて、ここでクエスチョン。彼を、どうするべきかな。」
恵「……………仮に器だとしても呪術規定に則れば虎杖は処刑対象です。でも死なせたくありません。」
『………私もっ!助けてあげて欲しい!!』
悟「………私情?」
恵「私情です。なんとか、してください。」
悟「クックックッ、可愛い生徒の為だ。任せなさい。」
悠仁が、ふっと目を覚ました瞬間声を掛けられた。
悟「おはよう。今の君は“どっち”かな。」
悠「………アンタ、確か………。」
悟「五条悟。呪術高専で1年を担任してる。」
悠「呪術………。先輩………!伏黒は!?」
悠仁が体を前に乗り出そうとした時ギチッと縄が擦れ合う音がしグッと、つんのめる。
悠「あ?なんだよ、コレ………。」
悟「他人の心配してる場合じゃないよ、虎杖悠仁。君の秘匿死刑が決定した。」
そして悠仁が気絶した後の話を伝える。
悠「展開が合ってねーんだけど。」
苦虫を噛み潰したような顔で告げる。
悟「いやいや、頑張ったんだよ。死刑は死刑でも執行猶予が付いた。」
悠「執行猶予………、今すぐじゃねえって事か。」
悟「そ。1から説明するね。」
そして淡々と宿儺の指について、何故執行猶予になったのかを説明する。
悟「………どうせ殺すなら全ての宿儺を取り込ませてから殺せば良い。上は了承したよ。君には今2つの選択肢が、ある。今すぐ死ぬか、全ての宿儺を見つけ出し取り込んでから死ぬか。」