第6章 春と出会い
怪我をした恵と一緒に悟が帰ってくるのを待っていると見慣れた顔が声を掛ける。
悠「伏黒!元気そうじゃん!!」
グッと嬉しそうに親指を立てている。
恵「包帯、見てそう思うか?………オマエは、これから俺たちと同じ呪術師の学校に転入するんだ。」
悟「ちなみに1年生は君で4人目。」
悠「少なっ!…………で、そこに居る子は誰なの?」
恵の陰に隠れている夜空を指さす。
悟「あれ、自己紹介してないの?」
恵が前に出すように優しく背中を押す。
恵「あぁ、話す時間なかったからな。」
悟「この子は松木夜空だよ。君と似た特異体質の持ち主。…………この甘い匂いが、そうだね。まあ、その内わかるよ。」
ふふっと楽しそうに笑みを浮かべる。
夜空は少しだけ恵の肩から顔を出し会釈をした。
恵「虎杖…………、あんまコイツに近づくなよ。」
悠「え、なんで?俺、嫌われてる??あ、もしかして伏黒この子の事好きなの?」
恵「いや!そういう意味じゃなくて………。」
どんどんと声が小さくなる。
悟「ふふっ、駄目だよ。この子は僕のモノなの。でも確かに宿儺と近づけるのは良くないね。」
この後学長の面談があるから、と悟と悠仁と別れ恵の看病の為部屋に戻る。
『合格するかなあ………。』
恵「どうだろうな。………出来るんじゃないか、アイツなら。」
数分、経った頃隣の部屋から物音が聞こえた。
ゆっくりと2人で外に出ると待ち侘びていた人物が居た。
恵「隣かよ。空室なんて他に、いくらでもあったでしょ。」
少し嫌そうに言う。
悠「おっ、伏黒!今度こそ元気そうだな!!」
『合格したんだ!良かったあ……。』