第6章 春と出会い
すると突然虎杖の右手がガッと動き首を掴む。
両面宿儺は自らの意思で動かしていないようで少し顔を歪めた。
宿「あ?」
悠「人の体で何してんだよ、返せ。」
宿「オマエなんで動ける?」
悠「? いや、俺の体だし。」
恵「動くな、オマエはもう人間じゃない。」
悠「は?」
恵「呪術規定に基づき虎杖悠仁、オマエを──“呪い”として祓う。」
悠「いや、なんともねーって。それより俺も伏黒もボロボロじゃん。早く病院、行こうぜ。」
恵「………………。」
悠「?」
悟「今、どういう状況?」
恵「なっ、五条先生!どうして、ここに。」
悟「や。来る気なかったんだけどさ流石に特級呪物が行方不明となると上が五月蝿くてね観光がてら馳せ参じたって訳。夜空も心配だしね。」
ボロボロに、なった恵をスマホで写真を撮りながら軽口で言う。
そして片方の手で夜空を抱き抱えていた。
恵「夜空!無事か!?」
『うん!悟が助けてくれたから大丈夫!!って言っても、ここに運んでくれただけだけど。』
悟「で、見つかった?」
『あ!その子が持ってるって言ってたけど………どうなった!?屋上で遠くからしか見えなくて……。』
恵「……………」
悠「ごめん、俺それ食べちゃった。」
『え!?』
悟「………………マジ?」
恵「マジ。」
悟「んー?」
悟が悠仁の顔を覗き込むように見やる。