第6章 春と出会い
ゆっくりと、こちらに呪霊が向かっていたが上から虎杖が呪霊の頭を殴るように降りてくる。
悠「大丈夫か!」
恵「逃げろつったろ。」
悠「言ってる場合か、今帰ったら夢見悪ぃだろ。それになこっちはこっちで面倒くせぇ呪いが掛かってんだわ。」
呪霊が虎杖に標的を変え手を伸ばし掴もうとしてくるのを蹴りなどで、かわすが逆の手が降ってきてゴシャッと殴られ地面に叩きつけられる。
恵「呪いは呪いでしか祓えない。」
悠「早く言ってくんない?」
恵「何度も逃げろつったろ。」
生徒2人を助けるためには虎杖が走って逃げるしかない。
恵は虎杖に、そう伝え逃げるように再度促す。
悠「なあ、なんで呪いはあの指狙ってんだ?」
恵「喰って、より強い呪力を得るためだ。」
悠「なんだ、あるじゃん。全員、助かる方法。」
恵「あ?」
そう言い虎杖はガサゴソとポケットに入れていた指を取り出しおもむろに飲み込む。
恵「馬鹿!やめろ!!」
飲み込んだ瞬間、呪霊がドドドドドドと勢いよくこちらに向かってくる。
触れるか触れないかの距離で虎杖が手を振ると先程まで走っていた呪霊がそのままドサッと倒れ込む。
宿「ケヒッ。」
少し笑うと突然ゲラゲラと笑い出す。
(最悪だ、最悪の万が一が出た!)
宿「呪霊の肉などつまらん、人は!女はどこだ!!」
少しウロウロと探していたが気配で察したのか恍惚の表情になる。
宿「素晴らしい時代に、なったのだな。」
そう言い手を広げ喜んでいる。