第6章 春と出会い
…………………
虎杖悠仁と離れ学校の階段を上がっていると悲鳴が聞こえた。
夜空の声ではない事に申し訳なくなりながら安堵する。
恵「…………もう部室を出たのか!」
気配を辿ってはいるが呪いの数が多く中々見つけられない。
ドアをガラリと開けると本命ではない呪霊が道を塞ぐ。
恵「邪魔だ。“玉犬”喰って良いぞ。」
2体の玉犬が簡単に呪霊達を食い殺していく。
それに伴って走って先を抜ける。
(呪いの数が増えてきた、近いな。)
廊下の角を曲がると本命の呪霊が居た。
呪物ごと生徒を取り込もうとしており今、攻撃しても間に合わないと悟る。
恵「クソッ………!」
その瞬間カシャァァァンと虎杖が窓ガラスを割って入ってきた。
恵「虎杖!?ここ4階だぞ!?!」
そのままの勢いで生徒達を呪霊から引き剥がし距離を取った。
悠「思ってたのと違うな!」
呪霊を睨みながら言う。
恵「なんで来たと言いたいところだが良くやった。」
悠「なんで偉そうなの。」
玉犬が喰っている間に詳しい呪いについて説明する。
箱の中に入っていた物を渡してもらおうとしていた所に虎杖の頭上の天井が伸びる。
恵「逃げろ」
呪物に捕まれ鵺を呼び出そうとするが壁に叩きつけられそのまま突進してくる。
ドロリと玉犬が溶け突進してきた勢いで渡り廊下の天井にドンッと落とされた。
途切れてしまった術式を再度、出そうとするが頭が回らない。