第6章 春と出会い
淡々と呪いとは何か、拾った物は何かを簡単に説明する。
恵「…………という訳で危険度の高いものだ。人死にが出ないうちに渡せ。」
悠「いや、だから俺は別に良いんだって。」
そう言いながら写真で見せた箱を投げ渡す。
パシッと受け取り箱を見るが空だった。
恵「中身は!?」
悠「だァから先輩が持ってるって!」
恵「ソイツの家は!?」
悠「……………」
恵「なんだ?」
悠「そういや今日の夜学校でアレのお札剥がすって言ってたな。え………、もしかしてヤバイ?」
恵「ヤバイなんてもんじゃない、ソイツ死ぬぞ。」
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恵に学校で待機するように言われ2級以下の呪霊を暇つぶしがてら祓っていた。
恵が追いかけて行ってから1~2時間ほど経っただろうか。
『遅いよ~、ちゃんと見つけられてるのかなあ。』
ぶつぶつ文句を言いながら呪霊を祓っていると着信が鳴る。
『遅いよ!ちゃんと見つかった?もう暗いし早く帰ろうよ。』
恵「待たせて悪いな。学校にまだ居るんだろ?すぐ戻るから待ってろ。危ないからどっか隠れてて。また連絡する。」
『え!?ちょっと!………』
自分の声は届かずツーツーと切断音が流れている。
『え~、どういう事………?』
隠れ場所を探しに行こうと屋上の階段を降りる。
地に足が着いた瞬間ブワアッと鳥肌が立つように呪いの圧を感じる。
『なに、これ………。まさかっ!…………あの子が持ってるんじゃないの!?』