第5章 聖なる夜に
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悟「恵さぁ、夜空をよろしくとは言ったけど好きにして良いとは言ってないんだけど。」
恵「………そうだったんですね。てっきり交際を了承してくれたのかと。」
悟「はぁ?そんな訳ないでしょ。僕が結婚するんだから。初めて会った時に言ったよね?“匂いの虜になったら許さない”って。」
恵「…………先生こそロリコンなの、そろそろヤバいんじゃないですか?俺に託したら安全だと思いますけどね。」
悟「恵も言う様になったよね~。でも絶対に渡さないから。………そろそろ行かないと心配させちゃうから帰るね。じゃあ、またね~。」
ガチャリとドアを閉め数分した頃車の走行音が聞こえ遠ざかっていく。
恵「はぁ、なんであんなに余裕そうなんだよ………。」
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『悟、恵と何の話してたの?』
悟「ん~??なんで?」
『お礼、言うだけにしては長かったから。』
悟「そんな事ないよ?」
『ふーん、そっか。…………帰ったら傑、居る?』
悟「…………傑は居ないよ。」
あまり触れられる雰囲気ではなくボーッと流れる窓の景色を見て気を紛らわせる。
『たっだいま~!』
寮に帰ると高専内がボロボロになっており驚く。
『うわ………、何これ………。どうしたの?』
悟「色々あってね~、その内修理されるから大丈夫だよ。」
『は~い。』
皆に挨拶と探索をしよう、と高専内をフラフラと歩く。
『あ!硝子!!』
硝「おっ、夜空。久しぶりに感じるね、おかえり。」
『ただいま~!』
ぎゅーっと抱き着く。
『あ、傑と悟なんかあった?』
硝「んー………、なんで?アイツなんか言ってた??」
『んーん、教えてくれなくて。なんか雰囲気的に?』
硝「………アイツから聞きな。落ち着いたら話してくれると思うよ。」
『そうだよね………、待ってみる!ありがと!!』