第5章 聖なる夜に
これ以上はまずい、と布団に潜り背中を向ける。
するとゴソゴソと後ろから抱きつかれる。
びくりとしてチラッと見やるが無意識に抱きついているらしい。
ポリポリと頭を掻き意識しないよう目をつぶり寝る事に徹する。
『さとるぅ………。』
ガバッと起き上がり夜空を見る。
起きていないようで仰向けに寝返りを打っている。
恵「チッ……、先生のことなんか好きになるなよ。」
ポツリと呟くと吸い寄せられるように唇を重ねる。
啄むようなキスをしていたが息が苦しくなったのか、うっすらと口を開けられ我慢できなくなり舌を絡める。
『んっ…………、はぁっ……………。』
荒く息が漏れグチュグチュと水音が響く。
ハッと我に返り唇を離す。
はぁはぁと隣で呼吸を整えているが起きてはいないようだった。
(この匂いのせいだ………、俺は悪くない………。)
自分は悪くない、と心の中で反復する。
少し距離を空けて背中を向けて再度目をつぶり何も考えないようにした。
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『んー…………』
窓の隙間から漏れる光で目を覚ます。
ゆっくりと瞼を開けるといつもとは違う景色が見える。
『知らない天井だ…………。』
ハッとして横を見る。
『恵、まだ寝てる………。』
子供のように寝息を立てている。
布団が、はだけ白い肌とまつ毛が光に照らされキラキラと輝いているように見える。
『綺麗だなあ………、羨ましい。』