第2章 あの人が消えた
『ん……………』
朝の光で目を覚ますと少し息苦しさがあった。
(苦しい………)
少女にとっては、いつもの事なので一緒に寝ている青年を引き剥がし起き上がる。
悟「ん~………、まだ寝てようよ~。」
眠そうな声を出して腰に手を回す。
『今日お出かけじゃないの?』
悟「あ、そうだった~。………もうちょっとだけ寝ない?」
『私は準備するから。何時に起きるの?起こしたげる。』
悟「独りぼっちなら寝れな~い。僕も起きるよ。」
ゆっくりと起き上がり、伸びをしている。
よいしょ、と2人でベッドから出て準備を始める。
自分で出来る限りの準備を終え悟の準備が終わるのを待つ。
悟「お待たせ、…………出来る事どんどん増えてくね。」
『お姉さんになったって事!?』
ぱあっと顔が明るくなる。
悟「ん~、そうとも言うね。僕はこのままでも良いけどね~。」
ほっぺたをぷにぷにと触られる。
『やだよ!早く硝子みたいなお姉さんになりたい!!』
悟「………そっか。早く僕と結婚したいもんね!♡」
『…………早く行こ?時間なくなっちゃう。』
悟「…………本当そういう所は硝子に似ちゃって冷たいね。僕、寂しい。」
綺麗な蒼い瞳をうるうるとさせている。
これが弱い事を悟は知っている。
『~~~~~分かったから!早く結婚したいね!!』
悟「うん♡デート楽しみだなあ、準備出来た?早く行こ♡」
いそいそと玄関に向かい靴を履いて家を出る。