第2章 新しい生活
聞き慣れた音が聞こえてそちらを振り返ると体育館が見えた。
ふぅ、と小さく息を吐き、音楽を聞こうとカバンからイヤホンを取り出す。
しかし──…
『…あれ??』
カバンをいくら漁っても水色のイヤホンが見つからない。
(ない…。家に忘れてきた??でも、最近じゃ学校以外で使ってないからカバンから出した覚えはないのに…………あ、もしかしてあのとき…??)
考えていると、はたと最後にイヤホンを使った日のことを思い出した。
背の高い男子にぶつかってしまった日。
(あのとき落としちゃってたのか…。だから人の声が聞こえたんだ。)
はぁ、と大きくため息をつき、再びチラリと体育館を見たあと、小走りで昇降口へと向かった。
────────────────── ────────
「ごめんなさい、遅くなっちゃった。」
『おかあさん。全然待ってないよ。お仕事お疲れ様。』
学校から徒歩3分ほどのところにあるコンビニでお菓子を眺めていると、息を切らした母に肩を叩かれた。
母「それならよかった。さ、帰ろうか。」
『うん。』
そして2人で並んで他愛のない話をしながら帰路に着く。