第15章 アフロと聡明
(研究室にいないのなら、大体ソーンズはこの辺りに……)
ソーンズは私が記憶喪失後にロドスに雇ったオペレーターだ。色々と接している内にソーンズのことは大体分かるようになったとは思うが……思い当たる部屋にはいない。まだスキンシップが足りなかったか、と思っていると廊下に頭が爆発している人物が。
「……ソーンズ?」
その人物に声を掛けると、琥珀色のような目が私に向けられた。頭がアフロになる爆発だったとは、ソーンズは一体何を研究していたのだろう。
「ああ、ドクターか。研究所がないから、ここで研究をしていた」
とソーンズの足元にある複数個の試験管を見て私はギョッとした。なんの薬か分からないが、私の直感が危険と囁いている!
「ソーンズ、廊下で研究するのはやめてくれ。始末書だけでは済まなくなるぞ」
「始末書?」
「え、もしかしてさっきの爆発の始末書、まだ書いていない?」
「なんだそれは……」
これは、先が思いやられそうだ。