第33章 もしも現パロの世界なら
そこでは、クーリエという人が保育士をやっていて、まだ子ども(という設定の)プラマニクスさんのお世話をしているんだそうだ。プラマニクスさんは子どもの頃から歳の離れたお兄さんと仲が悪くて、夕方迎えに来るのがそのお兄さんだと、帰りたくないとワガママを言う。
妙に細かい設定すね、と俺が言うと、ワガママを大声で言えるのも子どもの特権だとかって大将が言い、どこか遠い目になった。俺は話題を変えようと、そういえばヒューマスさんはどうっすか、と聞いてみると、彼はゲンパロの世界でもリサイクル屋をやってそうだと話してくれた。
「そういえばミトムが、前にヒューマスと一緒に偵察車を作ったことがあるから、一緒に仕事していたりして」
「へぇ」
ミトムってどんな人だったかな、と思っていると、大将はそれも察したのか、尻尾にいつもレジ袋をぶら下げてる、という特徴も話してくれて、たまに購買部で見たことあるな、と思い出す。
それからも大将は色んな人の「未来」を想像して、クロージャさんはステインレスさんと組んで最強のエンジニアになってそうだとか、タッグを組んで強そうといえば、サリアさんとアンダーフローって人とか……とずっと話しているのを聞いて、俺は結構楽しかった。
「まぁ、全部妄想の世界なんだけどね」
ひとしきり話し終えて大将が言葉を切る。見ると大将は遠い目をしながらも、満足そうに微笑んでいた気がしやした。このロドスが目指しているもんはかなり遠い未来っぽいし、俺には難しいことは分からねぇが、なんだか実現出来る気がしていて、俺は大将の話が否定出来なかった。
「いつか、そうなりそうな気がしやす」
と俺が言うと、大将は深く頷いた。
「ああ、私もそう願ってるよ」
それが、大将の心からの願い。
俺は大将の事情なんてよく知らないし、知ろうとも思えない。
ただ、そう答えた大将のことは、信じようと思った。
「もっと、話を聞かせてくだせぇ。大将の話、結構面白かったもんで」
すると、大将は子どもみたいに目を輝かせた。
「いいのかい? だったら……」ドクターは話す。「ジェイは結婚するなら、どんな人がいいんだい?」
「えっ」
思わぬ質問に俺はたじたじになったが。
そんな時間も悪くねぇかも、なんて思ってやした。
おしまい