第15章 アフロと聡明
「もう、またあのソーンズですよ!」
技術部のオペレーターたちがまた私に文句を言いに来た。原因はいつもソーンズ。彼がまた、研究室を爆発させたらしい。
「もう少しで修理完了する予定だったのに……! 二つ部屋飛ばして爆発するなんて想定外です!」
要するに、ソーンズにしばらくお目付け役をつけて欲しい、と。それは無理なんじゃないかなぁと思いつつも、鉱石病の研究を主にしているこの製薬会社からすると、毎度毎度爆発されていては色々と困るのだろう。
「分かった。ソーンズはしばらく私の秘書にするよ」
そうすることで、しばらくはソーンズの研究の手は止められる。だが、しばらくすると勝手に秘書を辞めて抜け出すだろうから、彼を完全に拘束することは無理だ。または長期任務に出すか……。
「それで、ソーンズはどこに?」
「そんなの知りませんよ!」
技術部オペレーターはお怒り状態だ。私とあまり会話せずに言いたいことだけ言うとさっさと執務室をあとにする。
……コール(電話)にも出ないみたいだから、探すしかないか。
私は席を立った。