第14章 いつメン
「ねぇねぇ、おかわりあるでしょ? もっと食べていいー?」
一方のテンニンカは真反対のように朗らかだ。テンニンカが話すだけで、いつも周りは明るく照らされる。
「あ、はい、今入れますね」
ジェシカがテンニンカの器を受け取り、おかわりのスープを注ぐ。スズランはその横で嬉しそうに微笑みながらスープを飲んで……。
「熱い……!」
「スズラン?! 大丈夫ですかっ?!」
ちょっとうっかりしているスズランは目が離せない。スズランは涙目になっていた。
「舌がヒリヒリします……」
「口の中を見せてくれますか?」
「はい……」
スズランの舌はやはり火傷で赤く腫れていた。スズランのスープは入れたばかりだったから、かなり熱かったのだろう。
「見せてみて」とすぐに駆け寄ってくれたのはサイレンスだ。「舌が腫れてる……放って置いても治るかもしれないけど……」
「あ、それなら薬草がありますよ。口の中の怪我用なんですけど」
とヴァンデラが薬草らしい花を見せてくれた。それ、薬草だったのか。
「それはよく効く薬草だが味覚が変わるから、食事を食べ終わってからの方がいいだろう」
サリアも近寄ってきて皆でスズランを囲い始めた。……もしかして、この戦隊って医療系が強い?
「はい、ありがとうございます、皆さん!」
まぁ、あのように優しいスズランの周りには、自然と庇護欲が掻き立てられても可笑しくはないだろう。私はスープを飲みながらゆっくりと考えた。
このメンバーならどんな作戦も乗り越えられる。私は、まだこちらの噂をしているらしいそれぞれの部下オペレーターに目を向けた。彼らにも、帰る場所があるはずなのだし。必ずこの作戦も成功させねばならない。ロドスのために、皆のために……ドクターのためにも。