第11章 背負ったもの
ある日ロドス艦内中層を散策していると、遠くでアレーンの姿を見かけた。
「あ、アレーン……」
私は声を掛けようと片手をあげたが、アレーンは私の姿を見るなり逃げてしまった。
(やはり、この前のこと怒っているのだろうか……)
もしや嫌われたのでは、と私が落ち込んでると背後から、
「あ、ドクターじゃん。購買部に新作出たから買ってくれるっしょ?」
と言ってきたのはアンブリエルだ。
内容はともあれ、私はもう一度アレーンがいた方向を振り向くともうその姿はない。もしかして、私ではなく彼女を見かけたからアレーンは逃げたのではないだろうか。
「ドクター?」
「ああ、いや、なんでもないよ……」