第5章 癒しの尻尾
「噂は、半分は合ってる……かもな」
「え」
私の回答に、アーミヤは驚きを隠せない様子だった。私はもう一言付け加えた。
「だが、同意の上なんだ、アーミヤ」
だがそれはますますアーミヤの中の不審を生み、その顔からさっと血の気が失せたようだった。私は慌てて口を紡いだ。
「尻尾の男子ばかり執務室に来ていたのは、尻尾が私の癒しだからだ」私は更に話し続ける。「だが、女性の尻尾を触る訳にはいかないだろう? それで尻尾のある男子に頼んでいたのだ……」
「何を、ですか?」
アーミヤから私を疑う目がまだ消えない。私は謎の汗を掻きながら、とうとう言った。
「尻尾を、触らせてもらっていたんだ──」
ついに、言ってしまった。
私はアーミヤの顔を見られずにデスクに両肘をついて俯いた。私のことをどう思うだろうか。私のことを軽蔑するだろうか。それとも揶揄するだろうか。私の中では多くの悪い言葉が浮かんだ。
アーミヤが言ったのは。