第31章 いつメン2
「あの二人は……仲が悪いのかしら」
ロサも、口論しているサイレンスとサリアにすぐに気づいたようだ。来て早々あのような関係を目にしたら、印象は悪くなるだろう。
「仲が悪いように見えますが、二人の連携は素晴らしいものです」私は自分の印象を正直に話した。「リーベリの方がサイレンスで、ヴイーヴルの方がサリアです。あの二人のことは……落ち着いたら紹介しますね」
「そうね、今は取り込んでいるみたいだし……」
ロサは二人の言い争いに困惑している様子だったが、作戦が始まれば彼女たちの素晴らしさにすぐ気づくだろう。
「間もなく、作戦ポイントに到着します──」
待機所にアナウンスが流れ、移動中の子艦がわずかに揺れた。これから作戦が始まる。私は手元の剣の柄に手を置き、メンバーたちを振り向いた。皆、先程とは打って変わって真剣な眼差しになっている。こちらの士気は充分そうだ。
「油断しないように気をつけろ」
いつメンならすっかりと聞き慣れたソーンズの言葉が掛かる。皆は静かに頷き、傍らのロサも気を引き締めたように攻城兵器を背負い直した。もうすぐ、出発だ。
おしまい