第28章 ケルシーとロベルタと顔マッサージ
「あ〜……気持ちいい〜……」
その日、私は疲れ過ぎてソファで寝転がっていた。目の前には顔マッサージをしてくれているロベルタがいる。
「ドクター、たまにはマッサージをした方がいいよ? 知らず知らずの内に表情筋も凝っちゃうんだから」
と私の顔マッサージをしているロベルタの声が聞こえる。
「ははは、そうだね。その時はロベルタに頼もうかな」
私が半分冗談でそう言ったが、いつでもやってあげるよ〜とロベルタが返してくれるのでつい甘えそうになる。元気な声とは裏腹に、顔をマッサージする手つきが優しくて眠くなりそうだ。
「そういえばさ、ロベルタ」
「ん〜?」
「ケルシーにも顔マッサージしてるって聞いたんだけど、ケルシーが頼んだのかい?」
「あー……」
するとロベルタが言葉を詰まらせるので目を開けると、その目線は答えづらそうに横を向いていた。
「何か言いにくいことかい?」
まさか、ケルシーに無理矢理やらされているのだろうかと私は心配になったが、ロベルタは違う違うとこう言った。