第9章 夏だ!海だ?…の前に!
「でね!『友達も呼んで良いよ』って言われたから天原ちゃんも来ない?天原ちゃんの、今日会ってた人も呼んじゃって、さ!」
有沙の言葉に又私はぶーーーっと味噌汁を吹く。
「噂ダゾ!『狂乱のかとる』が自ら男を連れ込んだって」
確かに私は有沙にアルタ先輩の事を話しかけていた。
し、アルタ先輩とは確かに……その、散々アンアンパンパンしてしまい、それについてもちょっと話そうとしていたけれど。
「も、もうっ?!」
言えば有沙がご飯を置いて私のほほをつつく。
「うん、二人がラブラブ~♡な雰囲気かもしながら歩いてたってもう寮内では噂でもちきりダゾ~!!このぅっ!!このこのっ!!」
有沙が肩をぶつけてくる。
「ち、ちがっ?!そ、……そんなんじゃなくて」
誤魔化す様にご飯を食べた。
「主にヤリ部屋に激震が走ったね」
ち、違くて。
アルタ先輩とはそんなんじゃなくて、……今はまだ、まだ、ね。
「じゃ、じゃあ真人と行こうかなっ」
私が言うと有沙がニヤァと笑う。
「それはそれで面白そう」
どういう意味だ!!
「その前に……」
有沙もご飯を手に取る。
「その前に?」
「期末考査と、天原ちゃんは公式戦じゃないの?」
―――公式戦。
通貨『ルチア』を管理する生徒会が行う誰でも参加出来るギャンブル大会。