第22章 アルタ先輩の推理日記
同じ様に部屋に向かう人が乗り込んできた。
次に来たら乗れば良いのに、もう、我慢できないんだ、と思う。
扉のガラスに後ろ側にいるその人達が映る。
しっかり指を絡めて、そして私達にも構わずキスを始めた。
ちゅっちゅっと軽く触れ合わせてからの濃厚なキス。
こちらもあてられてしまいそうだ。
私達が先に降り、濃厚な恋人達は上の階へとはこばれていく。
そして私達は部屋に入る。
「美希さん」
アルタ先輩は私を名前で呼ばない。
それが何故なのかとかを私は知らないけれど。
アルタ先輩はいつも謎を秘めているし、私はそれを詮索したりしないのだ。
『女は秘密を着飾って美しくなるのだから。』とは言うけれど、アルタ先輩も……。
「お風呂入ります?」
聞けばアルタ先輩は首を横に振る。
「いいよ、そのままで」
カバンを床に降ろすとベッドに押し倒された。
そのまま、エレベーターで見た恋人達の様に唇を交わす。
最初は触れ合わすだけ、段々、唇がくっつく時間が増え、舌が入ってくる。