第8章 『いっぷ』ではない事3
口を開けば舌が入ってきて。
まるで遊ぶ様に私の舌をすくう。
体がぽわっと熱くなった。
手が脇のジッパーを下ろす。
そこから手が入ってくる。
やわっと手が胸をもむ。
「あ、あんまり大きくなくてすみません」
「気にしてるの?美希さんはそういうの気にしないと思ってたな」
片手でブラを外され、中に手が入ってきた。
「んっ……気に、しますよ」
胸をこねこねされるけど、肝心の部分に触ってくれない。
それがもどかしくて体を揺らしてしまう。
「どうしたの?ゆらゆらして」
アルタ先輩が聞いてくる。
分かってるでしょ?!って他の人になら言える、のに。
『かとる』じゃない私は言えない。
「んっ、ふぅっ」
胸を触られるだけでも気持ち良いけど、触られたい。
掌でこすられるだけじゃない気持ち良い事―――。
「恥ずかしがってるの?」
聞かれて、私はそうか、と納得する。
あまりに『無い』事過ぎて忘れていた。
―――恥ずかしい。
自覚するともう私は全身が熱くなる程恥ずかしさを感じる。
私室でアルタ先輩にえっちな事をされてるというだけで。