第8章 『いっぷ』ではない事3
おとなしくアルタ先輩について行く。
連れてこられたスイーツバイキングの店には色とりどりの甘い物が並べられている。
一番大きなお皿に思いつく限り食べたい物をよそっていく。
重いお皿を持って席に戻るとアルタ先輩はもう食べだしていた。
小さなお皿にビターなオペラとプリンのロールケーキ一きれ。
「……」
何を食べるかは自由だ。
私は黙って席について自分が取ってきた物を食べる。
アルタ先輩は二つを食べてしまうと次は一番大きい皿に炊き込みご飯とカレーライスをもってきた。
「もう締めですか……」
思わず聞けばアルタ先輩はパクパク、カレーライスを口にはこぶ。
「食べ放題なんだから何を食べても自由だろう?僕はここの安っぽいカレーと炊き込みご飯が好きなんだ。それも甘い物を食べた後だと不思議な達成感がある」
アルタ先輩は今日も不思議だ。
その後もお気に入りらしいオペラとプリンロールを食べてはご飯物を食べ、最後にはポップコーンをバリバリ食べている。
お皿に盛り盛りに盛ったポップコーンを食べ切り、お店を出た。
「お腹も膨れましたし『いっぷ』しませんか?」