第8章 『いっぷ』ではない事3
私を呼び出すからには『いっぷ』目的なのかと思えば誘ってもけんもほろろに断られる。
「スイーツバイキングに行きたいんだ」
「はい?」
「君、若いのに耳が遠いのかい?スイーツバイキングだよ」
―――すいーつばいきんぐ?
アルタ先輩の口から出た言葉が認識できない。
が、だんだん飲み込めてきた。
「男が一人で行くのは恥ずかしいじゃないか」
「だから私を呼んだんですか」
「そう」
―――今日もけんもほろろなお言葉に涙が出そう。
やっと序列三位と『いっぷ』できるカモ……?!
ナンテ期待はアッサリと裏切られた。
「呼び出したのはこちらだからね、奢るよ」
さしだされる手を取らず、態と私のふくらみをぎゅうぎゅう押し付けながら腕をくむ。
それをアルタ先輩が見る。
これはっっ!!―――すかさず私は制服の胸当てを外す。
ちょっと高い位置にあるアルタ先輩からなら私の胸の谷間が見えるハズ―――。
だがアルタ先輩は私を押しのけ手を握って歩き出す。
「行くよ」
けんもほろろな態度に内心ざんねんだがこれ以上やってごきげんを損ないたくない。