第22章 アルタ先輩の推理日記
いつの間にやら周りはランチ目当てのお客さんでいっぱいで。
皆顔を寄せあってザワザワと何か話している。
私達はドリンクの提供を頼む。
ドリンク飲みながら四方山話に花を咲かせた。
休み明けに何をしようとかちまかわの話とか。
そして、ふと、アルタ先輩が私を見る。
「ねぇ、今日の美希さんは『かとる』なの?『美希天原』なの?」
言われて、胸が高鳴った。
私は『かとる』だからって言い訳してここに来ている。
だけど―――ほんとは違うのは自分が一番よく分かっていた。
みんなで行った旅行は楽しかったし。
実家に帰って久しぶりに見た両親の顔も、真人と家で遊んだのも楽しくて。
でも、本当は―――考えてしまっている。
アルタ先輩の事を。
アルタ先輩は何しているんだろう?
……ナンテ。
考えてしまっていた。
それを今もうここでは隠せない。