第22章 アルタ先輩の推理日記
言い合って、互いに視線を合わせて笑ってしまう。
楽しい。
やっぱりアルタ先輩といると楽しい。
忘れてしまう。
私は『かとる』。
基本的には学外では『かとる』ではないんだけど。
食事をしながらアルタ先輩を見る。
どうして今日は私を誘ってくれたんだろう?
そんな事を考えた。
アルタ先輩が友達と遊んだ話なんかをぽつぽつしてくれる。
私といない時のアルタ先輩とか貴重だ。
うんうん、と力強く頷きながら聞いてしまう。
どうやらアルタ先輩も普通の高校生だったらしい。
プールに行き、図書館へ行き、ショッピングモールをうろついたりしていたらしかった。
「でも……」
と、話の最後にアルタ先輩は言い、そのまま黙る。
そして私を見て笑った。
ふんわりと、蕾が開く様に。
胸がぎゅん!てする。
アルタ先輩は一体何を言いかけたのだろう?
ご飯を食べ終わった。