第22章 アルタ先輩の推理日記
頬が紅潮する。
「ねぇ、どっち?」
尚も問われた。
『分かってる』って表情で視られて。
ほぅ、と息を吐く。
「『天原』として来てます」
―――言ってしまった。
その言葉にアルタ先輩が又笑う。
優しく花がほころぶ様な笑顔。
「うん、嬉しいな」
アルタ先輩も嬉しいと思ってくれているなら私も同じ。
ドリンクはもう空。
私達はカフェを出る。
自然とアルタ先輩が私の手を掴む。
指を絡めて。
そこから向かうのはキラキラした場所。
パネルの中からアルタ先輩が部屋を選んで。
もつれる様にエレベーターに乗る、と。