第21章 弾ける花
思わず声が出た。
花火が上がる。
それに見とれていると、手を、握られた。
暖かいその感触に笑みがこぼれる。
私は握られた手に指を絡めた。
隣で真人がびっくりした様に震える。
でも私は離さない。
更にギュッと握る。
しっかり握り合って、二人で花火を見た。
「綺麗だね」
真人の方を見る。
「…………天原の方が綺麗だ」
真人も言う様になったもんだ。
「ありがとう」
手をぎゅっぎゅっと握ってお返しして。
花火を見た。
―――又、来年も花火が見たいな。
その花火を私は誰と見ているんだろう?
馨と?御厨お姉様と?真人と?それともアルタ先輩だったりして。
私はくすっと笑って。
今はこの暖かい手を握り続ける。