第21章 弾ける花
帰宅して、浴衣を脱いで洗濯したりお風呂に入ったり。
風呂は一人ずつ入るといつまでも終わらないから、『行為をしない』と約束しあってカップルで入った。
そして洗濯したものを干した時には流石に私達も疲れきっていて、みんなそれぞれの部屋で倒れる様に眠って。
起きたら速やかに荷物を片付けて室内を最低限整えて別荘からおいとまする。
車の中ではみんな眠っていた。
休憩でSAに寄った時にはみんなではしゃいで。
ご飯を食べて、又車に乗って。
帰ってくる、私達の学び舎の前に。
『又新学期にね』『ありがとう、天原。馨くん』
お姉様と美宇さんは既にお迎えが来ていて、車に乗って颯爽と帰っていく。
「私は大荷物だけど、バスで帰るわ」
有沙が言うと、馨が『じゃあ家まで送るよ』と彼女を又車に乗せる。
そして、私と真人にも視線を向けた。
「私達は真人のお家の方が迎えに来てくれるから大丈夫です」
言うと、馨は頷いて車を発進させる。
残った、私達。真人と、私。
真人は親に今学園前に着いた事をメッセージしていた。
それを眺めながら思い起こす。
海、プール、あの人との夜、観光に、花火。
今年の夏休みは楽しくて。
又、みんなで行けたら良いな、なんて、思いながら私は隣の真人の腕に絡みつく。
夏休みが終わるまで、後少し。
―――又、学園生活が始まるのだ。