第21章 弾ける花
そうして、夕方、という時間に又集合して、女子はみんな言わなくても浴衣を持ってきていた。
美宇さんと御厨お姉様は色違いの物を。
有沙は渋く青い彼岸花が印刷された物。
私は派手な花柄だ。
女子は集まってリビングで着付けをし合う。
男子は部屋で甚平を着ている。
お互いに帯を結び合い、化粧を直して。
男子を連れていくのは花火大会だ。
近くの神社の夏祭りで夜には花火もやる。
人混みの中をそれぞれの連れ―――有沙は馨と、美宇さんは御厨お姉様と、私は真人と―――手を繋いで進んでいく。
お参りをして人だらけの参道をひやかして。
途中『待って、私これ食べたい』『私あれやりたいなぁ、お姉様ぁ♡』なんて立ち止まったりして、気が付けば私達は二人きりになっていた。
「みなさんはどこへ……?」
参道から外れ、スマホのグループにメッセージしてみれば、『私もお姉様と二人きりだから邪魔しないで』『私もはぐれちゃった♡二人で楽しむから終わったら各自帰宅で良―――し!』等と返信が来る。
それを見た私達は嘆息し合い、笑う。