第20章 ダーリアの斜陽
「うるさい、黙ってやれ。私はやらなきゃいけないんだよ」
美宇さんはおおよそ、ラブシーンとは思えない様な声音で言う。
「御厨先輩とやる練習、なんだよね?」
どうやら事前に聞き取り調査タイムがあったらしい。
馨の言葉に美宇さんが尤もらしく頷く。
「そうよ。お姉様のは大きいからまず普通サイズからって」
「誰が言ったの?」
馨の問いに美宇さんが私を指さす。
六つの目が私を見た。
私も有沙と一緒に真人のベッドに座る。
「だって初めてであんなものを入れては裂けてしまいますよ♡」
私が言えば馨が苦笑いをした。
「あ、でも勘違いしないでくださいね、美宇さん。馨のは小さい訳ではないのですよ?むしろ平均よりは大きい位です」
「ち、ちなみに、御厨先輩はどれ位?」
馨が言うので手で示して見せる。
『おお!』と有沙と馨がどよめく。
「お姉様のはすごく立派なんだから!」
美宇さんが嬉しそうに言う。
「じゃあなんか玩具とかでさ……」
馨はまだ及び腰だ。
「そんなもの買えるわけないでしょ!」
美宇さんはまともなのかまともじゃないのか、言う。
おもちゃを買うのと、馨で済ませようとするの、どっちがまともじゃないんだろうか?