第15章 誘惑ナイトプール
波多野様もにっかり笑っていた。
私達はジュースを買う。
馨は千波様に『腹が痛いんだし?』と嫌味ったらしくあったかい紅茶を買ってもらい、夜とはいえまだベタベタに熱い中でそれを飲んでいる。
飲み物を早々に空けた美宇さんは持ち前の無邪気さで千波様と仲良くなって、真人を引きずっていき波多野様と四人で楽しく写真を撮ったりしていた。
私の隣に御厨お姉様が座る。
「天原は大丈夫?疲れてない?そろそろ帰りましょうか」
優しい口調。『いっぷ』の時の様な―――。
白い手が私の肩をなぞる。
それに官能を感じるのは正しいのだろうか、と白い指を見ていた私が視線をあげると、お姉様と目が合う。
「御厨お姉様」
気が付くと私はお姉様に抱きついていた。
私と違う豊かな胸の谷間に顔をうめて。
濡れた水着から塩素のにおいがする。
「今日の天原は甘えんぼさんね」
実際、ちょっと寂しかった。
御厨お姉様はずっと美宇さんといたから。
「御厨お姉様~♡」
白いおみ足をにスリスリしちゃう。
その奥にはいつものは無いんだ。