第12章 やまおり(公式戦after.)
『千波、波多野ペア』
「さ、にあるちゃんゲームしよっ♡」
瑠夏は明るく言い、勝手知ったるとばかりににあるの部屋のゲーム棚をあさっていた。
「てかさ、あーしは良いんだけど、るかちは『かとる』としてのお役目ー、とか無いのかよ?」
言うにあるに瑠夏は笑い返す。
「私は『かとる』として一般生徒様であるにあるちゃんの言う事を聞いてます。つまり私って模範的な『かとる』だよ」
にあるはふんっと鼻を鳴らす。
恥ずかしかったけれど嬉しいのだ。
「徹夜で遊ぶなら、『梅鉄』九十九年?それとも、『荒地』あらす?『アペ』でも良いし、『アサリ』でも、それとも『クリハン』で最強目指しちゃう?」
楽しそうに提案してくる彼女が愛おしくて。
にあるは自然に手を伸ばし頬を撫でる。
「どしたのにあるちゃん?くすぐったい」
無邪気な笑顔―――。
これを守る為なら多少無理したって良いとすら思う。