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【R18】私は性奴隷志願です!

第12章 やまおり(公式戦after.)


その言葉に那由太が振り向く。
「じゃあどう考えても、ボクは生まれ変わりじゃないですか!」
成部は言う那由太にきょとんとした表情(かお)になる。

「勿論、那由太はジョン汰な訳ではない。ジョン汰ならきっと今頃天国で我が来るのを待っているであろうからな」
―――なら何故?
「だが、那由太、お前の目を見ていると、我が帰ってきてしっぽを振るジョン汰……一緒に風呂に入るジョン汰……我の胸の上で寝るジョン汰……ありありと思い出す……」
凝っと見つめられ、那由太は何だかはずかしい。

「夏休みの予定はあるか?」
不意に成部が抱きついたまま聞いてきた。
「無いですが」
答えれば成部はわらう。

「我と別荘へ避暑に行くか?」
誘いは嬉しいが―――。
「寝る時は裸で我の上に乗ってくれ」
―――やはりだ。

「ああ懐かしい。この香りを嗅ぐと、ジョン汰を思い出す」
―――同じ匂いの犬用と人間用のシャンプーを作らせたのだ。
等とうそぶき、成部はスリスリ那由太に頭を擦りつける。

―――この人は良い意味なのか悪い意味なのかは分からないけど変わらないな、と那由太は思い、大きな窓の外を見た。
今日も晴れ、そして暫くしたら期末考査があって夏休みになる。

成部と遊びに行くのも良いな、と思いながら那由太はまだスリスリしている彼を好きにさせ、まぶたを閉じた。
窓はしまっていたが少しだけ、夏至南風のかおりがした気がする―――。
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