第11章 公式戦
私にもアイスティーが入ったグラスが渡される。
「美繰ちの『しろ』、っぱ噂通りなんだし」
『カカカッ』と笑う千波様。
「可愛いでしょ。美希さんは」
誇らしげな御厨お姉様が可愛い。
「狩宿様も可愛かったです♡」
私が言えば軽磨様が頷く。
それを見た千波様がその肩をつつく。
「まあ、負けたし『独占権』継続だし?だし?」
千波様に言われた軽磨様は何だか嬉しさ半分、という顔をする。
男性の恥ずかしがる姿というのは貴重で可愛い。
「お二人は仲良しなのですか?」
自然と口が動いていた。
『しろ』と『独占権』を持つ『ご主人様』にはちょっと興味がある。
―――来年は私もそうなるかもしれない。
否、そうなる確信の様な気持ちがあった。
だから二人から何かを学びたい。
「……」
軽磨様はちょっと黙る。
「お兄さんは鈴鹿ちゃんが好きだし、『かとる』になった時は守りたい一心で『独占権』買ったし、さ、『しろ』にやる様な事は一応してるけどさ……」
そこで軽磨様は又黙った。
そして照れくさそうに顔を手でおおう。
「今は、『独占権』が無いと怖いんだよ、お兄さんは、サ」
その答えは、何だか私の心を踊らせる。
御厨お姉様を見た。
お姉様はすぐ気が付いて見返してくる。
―――それが何だか嬉しい。