第11章 公式戦
有城様は輪の様にカードを広げて、一回目は表向きで、もう一回は裏返してシャッフルした。
御厨お姉様はそれを凝っと見ている。
「ほら、あーしのカードに仕込みなんか無いし」
千波様はもうトランプに触れなかった。
「ではこのままサーブに移りますね」
有城様が見事な指さばきでしゅっしゅっとカードを弾いて四人の前にトランプをサーブする。
五枚揃うと無言でジャンケンが始まった。
「勝った。じゃあお兄さんから時計回りで」
軽磨様が言う。
全員がカードを持つ。
さて、これからは私達の出番ですね!
「さあ脱ぎ脱ぎいたしましょう♡」
女子はスカートだからすぐ触れるが蜜美様はスラックスを履いている。
私は蜜美様にだきつき、ベルトを外す。
「ひゃっ、ひゃぁ!やめてください!」
蜜美様が声を上げると即座に成部様が席を立つ。
「那由太の洋服は我だけが脱がして良いのだぞ」
でも、卓からは離れない。
「成部様、卓を離れた場合、不正行為と見なし失格ですよ」
有城様が言う。
「知りませーんっ♡」