• テキストサイズ

黄色い夜景の歌

第7章 配信当日


 そして当日。
 サムネを作ってもらい、配信予定日を設定すると、まだ始まってもいないのにコメント欄が大賑わいだった。え、あのカイトさんと? ジニアのカイトさんと?! すげー! などなど。
 ……その気持ち、俺もめっちゃ分かる。
 一方で、カイトって誰、とかジニアってなんだ、というコメントもちらほらと見え、こっちの権限で削除しようかと思ったくらいだ。いけないいけない。こんな邪な感情は追い出さないと。
 みんなに、ジニアやカイトさんのすごいことを知って欲しかったから。
 とはいえ、カイトさんってFPSゲームやったことあるのか……?
「こんばんはー、もしもーし、聞こえます〜?」
 いよいよその時間になると、カイトさんのめっちゃいい声が俺の耳を貫通して息が止まるかと思った。
「こんばんはー、聞こえますよ〜」
 とりあえず自分の中の限界オタクって奴を抑え込み、いつも通り話してみる。MENはまだ来ないのか。チラチラと通話グループのメンバーを見てしまう。
「あ、良かった〜。俺、ジニアのメンバー以外とゲームしたことなくて、音量調整とか分かんなかったんですよね」
 ってことは、他の人と通話しながらゲームするのは俺たちが初めてってこと? カイトさんの一言一言にいちいち動揺している自分が一番気持ち悪く感じた。正常心でやらなきゃ……ってえ、カイトさん、ランク高い?!
「カイトさん、マスターなんですか?」
 俺はMEN待ちのゲーム画面に映るカイトさんのランクを見ながら聞く。俺はカイトさんの実力を全く知らなかったのだ。
「ハハッ、俺は全然なんですよ。我がジニアのリーダー、クレナイが強くって。俺はキャリーしてもらってるだけなんす」
 とケラケラ笑っているカイトさんだが、だとしても上から二つ目のランクなのはすごい。きっと、強いキャラでも使うんだろなと思っていたらカイトさんずっと回復メインのキャラのままだ。カイトさん、そのキャラ使うのかな……?
/ 50ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp