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黄色い夜景の歌

第6章 信じられないこと


「え、すごいじゃん、おんりー」
 俺がカイトさんとゲーム配信することになったとドズル社メンバーに話すと、ドズルさんが真っ先に賞賛してくれた。
「今でも信じられないです……あのカイトさんと……」
 俺は言葉を切る。この話をみんなにしていることも夢なんじゃないかと思えてくる。
「他のメンバーは? 参加するの?」
 と聞いてきたのはぼんさんだ。ぼんさんもジニアが五人いることくらいは知っているみたいだ。
「いや、予定が合わなかったみたいでカイトさんだけです。……ぼんさんも来ます?」
 正直一人じゃ緊張するだろうしと俺がさり気なく誘うとぼんさんは渋った。
「FPSのゲームでしょ? 俺、あんまり分かんないんだよなぁ」
 足引っ張るかも、とぼんさんが言うとおらふくんがいいなぁと呟いた。
「僕、予定がなかったら行きたかったなぁ」
 最近リアルが忙しいおらふくんには、ちょっと厳しい日にちだったか。そう思いながらMENは、と俺が聞くと、意外にも渋る反応で驚いた。
「あー、んー、行けるとは思うけど……ちょっとあとで確認する」
 MENが即答しないのは珍しかった。MENもたまたま忙しい日とぶつかりそうなのだろうか。
 そうして撮影後の雑談も終えてグループ通話から抜けると、MENから個チャでメッセージが送られてきていた。
「本当に俺も行っていいのか?」
 聞かなくても分かった。さっきのカイトさんとFPSゲームをやる話のことだろう。
 俺はMENがなぜそこまで疑問に思っているのか分からなず、なんで? と聞いたらこんな言葉が返ってきた。
「おんりーの憧れの人だろ?俺邪魔じゃね?」
 ……ズボラはどこに行ったんだ、この男。妙に気遣いするところに時々こっちが戸惑うわ。
「むしろいてくれると助かる」
 緊張しそうなんだよね、とまでは書かなかったが、MENのことだから分かってくれそう、多分。
「分かった。行くわ」
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